火災との戦い
レンガ住宅と言えば欧米住宅を思い浮かべる事でしょう。ではどのような普及経緯があったのでしょうか。実は欧米に於いてレンガ住宅が広まった原因は「大火災」によるものでした。時は産業革命時代、様々な文明の発展により人口が爆発的に増えます。当然ながら住居の数も増え、やがて住宅密集地が形成されます。なんとその当時の住宅は木造が主でした。そんな中1666年イギリスのロンドンにて世界の火災史に名を刻む大火災が起きます。「ロンドン大火(The Great Fire of London)」です。密集した木造住宅は次々と延焼しロンドン市内の85%の家屋が焼失したと言われています。この大災害の後、ロンドンでは不燃材である石造またはレンガ造の住宅以外を禁止する法律を制定しました。
同様の事がイタリアやドイツ、またアメリカでも起きます。かくして欧米ではレンガ住宅が急速に増加していきました。